2022年03月27日
FBI ルアー列伝 40 フローターとフライフィッシング(その2 〜 バスフライ入門)
吉川です。
フライでバスを釣る方法、特に、フローターでのフライバスフィッシングについて、ここで総合的な解説をしてみたいと思います。
【おすすめの入門書】
この2冊がイチオシです。
写真左:「バスのフライフィッシング入門」佐伯信行著 地球丸(絶版)
写真右:「L.L.Bean バス・フライフィッシング・ハンドブック」デイブ・フィットロック著、東知憲訳
中身はこんな感じです。
『L.L.Bean バス・フライフィッシング・ハンドブック』より。
この本は入門者から相当な上級者まで楽しめる、かなり内容の深い本だと思います。翻訳者の東さんも、我が国におけるフライフィッシングの第一人者です。
『バスのフライフィッシング入門』より
この本もまた、入門者から相当な上級者まで読み応えがあることでしょう。
著者の佐伯さんは、昔よくバス雑誌やフライ雑誌に執筆されていました。フライにもバスにも大変造詣が深く、知る人ぞ知る名竿「フラデバ」を設計された方でもあったと記憶しています。
【フライの種類】
フライの種類のことを、フライパターンといいますが、バスのフライフィッシングにおけるオーソドックスなフライパターンは、かつては「バスバグ」と「ポッパー」が筆頭でした。その後、次第にバリエーションが増えて、マス用によく使われるパターン(マドラーミノーやゾンカー、バックテイルストリーマーなど)を応用したパターンも増えてきました。さらには近年では、ウレタンフォームとラバーレッグを用いた虫系や、岩井渓一郎さんが発案したイワイミノーなども加わり、選択肢が増えています。
以下、私の一軍選手たちです。
イワイミノー 確か2004年頃に岩井渓一郎さんと本山博之さんがDVDで解説してから脚光を浴びた。当時の破壊力はすさまじかった。私もスモール数百本、ラージ数十本、シーバス数百本をこれで釣っている。
ポッパー 夏の大定番。多くはコルクボディに塗装を施している。たまにディアヘアー(鹿の毛)で巻くこともある。コルクボディポッパーは釣れ過ぎると写真のように次第に塗装が剥げてくる。
マドラーミノー これも本当によく釣れる万能選手。使い方も万能。浮力があるうちはポッカリ浮かべて虫系のように使っても釣れる。水に馴染んできてゆっくり沈むようになったらサスペンドミノーやスティックベイトの水面直下引きのような使い方もOK。スーッ、スーッ、スーッと引くだけでもよく釣れる。
ゾンカー ラビットスキン(ウサギの毛のついた皮)を使ったフライをゾンカーというが、これはゾンカーパターンを応用して、ヘッドにディアヘア(鹿の毛)を巻き、マドラーミノーとゾンカーを融合したようなシルエットにしたパターン。沈下速度は低いが、ワームのように艶めかしく動く。ウィードエリアに有効。
その他。上はウレタンフォームとラバーレッグで作った虫系。桧原湖などで大変よく釣れる。真ん中は私が適当に巻いたエビ系。ダンベルアイでよく沈む。リザーバーで爆釣したことがある。写真下はハルゼミのシーズンに限定的に有効なセミパターン。
桧原湖や秋元湖では、ポッパーよりもイワイミノーよりも、虫系を漂わせるほうが釣れる気がする。
番外編。ワームフックのスナッグレス性能を利用して、こんなフライも巻いてみた。いわゆるキールフック・ストリーマー。シンキングラインで水中をリトリーブすると小魚のように見える。
【フライラインについての知識】
フライの道具を組むとき、フライラインの番手が、その基準になります。
例えば、6番という太さのフライラインを使う場合、ロッドも6番指定のロッドが最適になります。リールも6番の太さのラインに合ったサイズのリールを選ぶ必要があります。
大まかに言うと、1〜2番は無風の渓流用、3〜4番は渓流全般、5〜6番は川のウェットフライややや大きめのドライフライや風のない湖、7〜8番は湖のトラウトやバス、海のシーバス、9番以上はシイラやカツオなどに使うことが多いと言えるでしょう。
バスを釣る場合、6番と8番の2種類があれば、ほとんどの状況に対処できると思います。(凝ってきたら4番や9番で特殊な状況下にチャレンジしてもいい)
フライラインの太さに関する説明は以上ですが、この他に、フライラインには「フローティングとシンキング」「テーパーの種類」があることも覚えておかなければなりません。
水面〜表層のバスを狙うなら、フローティングラインだけでいいでしょう。
しかし、冬や春に水深2−3メートルのディープレンジを小魚に似せたフライ(ストリーマー)で狙う場合などは、シンキングライン、それもシンクレートの異なる何種類かを使い分けなければなりません。
まあ、最初はフローティングらいんだけでいいでしょう。かくいう私も、バスを釣るときに使うラインの99%はフローティングラインです。
テーパーについても、語り出すとキリがないのですが、最初は「ウェイトフォワード(WF)」もしくはそれに近いテーパーのラインであれば何でもいいと思います。ちなみに、ウェイトフォワードとは、前方(フォワード)に重さ(ウェイト)があるラインのことです。下図の真ん中あたりをご参照ください。
『L.L.Bean バス・フライフィッシング・ハンドブック』より
まとめると、フライラインは「WF-6F」(ウェイトフォワード6番フローティング)をまず選びなさい、そしてロッドとリールも、それに合わせて選びなさい、という事が言えそうです。その次に買うなら、もう少し重い「WF-8F」がいいでしょう。
【フライロッドの選び方】
ロッドは、ラインの番手と合っていれば、何でも構いません。しいていえば、6番ロッドなら8フィート〜8フィート6インチが扱いやすく、8番ロッドなら9フィートでいいと思います。ちなみに私が愛用しているのは、
オカッパリ: 8フィート6インチ、6番
強風や大型フライ使用時: 9フィート、8番
フローター: 8フィート以下、6番
尚、細かいことを言えば、感度や遠投能力などはあまり気にしなくていいのですが、空気抵抗の大きなフライを安全かつソフトに投げるべく、スローアクション〜パラボリックアクションのロッドのほうがいいかもしれません。
【フライリールの選び方】
フライリールの世界は、腕時計の世界とよく似ています。200万円のロレックスよりも1万円のカシオのほうが性能的に優れている。そういうことが、フライリールでも非常によくあるのです。
なので、最初のうちは、カシオのようなフライリールから入るのがいいでしょう。ごくごくオーソドックスな安いリールで構いません。
大事なのは「ラインの番手と合っているか?」と「堅牢さ」だけです。高性能なディスクドラグも要りません。(バスはカバーの釣りが多いので、悠長にドラグを走らせる余裕などないのです。掛かったらすぐにフライラインを手でたぐり寄せて、カバーに潜られないようにしなければなりません。)
【リーダーシステム】
あまり凝ったものは必要ありませんが、私の場合、だいたいこのような組み合わせにすることが多いです。いずれもティペットは継ぎ足さず、直結です。
・ポッパー : フライライン+ルアー用ナイロン2号を2m前後のみ
・イワイミノー:フライライン+市販のフロロカーボンリーダー3X、9〜12ft
・ラバーレッグ虫系: フライライン+市販のナイロンリーダー3X、9〜12ft
「ちゃんとフライがターンするか?」という点が最も大事です。
【シーズナルパターン】
春: フライにはあまり適さないシーズンです。あるとすれば、ワカサギが接岸している時期に、イワイミノーが炸裂することはあります。

5月にイワイミノーで釣れた50UP。木に巻かれないよう強引に上げたらフックがひん曲がった・・・
夏: フライのベストシーズンです。あらゆるパターンが考えられます。大まかな傾向としては、6−7月はイワイミノー(水面)、マドラーミノー(水面直下ただ引き)、モンカゲロウなどのドライフライが良く、8−9月はポッパーや大型の虫系に実績があります。サイズにこだわりがなければ、入れ食いを堪能できるのもこの時期です。
初秋の秋元湖。ポッパーで入れ食いを堪能した。
真夏の桧原湖。市販の3個500円くらいの安物ポッパーでもよく釣れる。
秋: 10月初旬まではポッパーやマドラーミノーが効きますが、それ以降、つまり虫がいなくなってくると、フライのシーズンは終わりと言えるでしょう。
冬: 一般的にはシーズンオフですが、ごく一部の熱狂的なフライマンは、ウィンターバスフィッシングで成果を出していました。私も故・西山徹さんの影響を受けて、真冬にシンキングライン(タイプ2〜4)でキールフック・ストリーマーを投げて、河口湖のハワイ沖や山中湖の平野ワンド等でバスを釣ったことがあります。ルアーでいうところのシンキングミノーの釣りですね。
【キャスティングテクニック】
きっちり説明すると非常に長くなるので省略します。YouTubeで「フライキャスティング」「Fly Casting」で検索すれば、いくらでも出てくるでしょう。バスの場合、15メートルも飛ばせれば十分釣りになります。フローターなら10メートルでも十分です。ディスタンスはあまり重要ではありません。それよりも、空気抵抗の大きなフライをきちんとターンさせることを意識しましょう。やや専門的にいえば、ややワイドループ気味にダブルホールができれば言う事なしです。公園の芝生などで練習する際も、先っちょに大きなフライ(フックは折る)を結んで練習するといいと思います。
【フローター】
日本ではフローターと言えばバスフィッシングのためだけに使われている感がありますが、本場アメリカでは、むしろ北米やカナダのほうでフライフィッシングのために使われることのほうが多いそうです。(そりゃそうですよね、テキサスのような南部でフローターで浮いたら、ワニに襲われちゃいそうですから・・・)
日本メーカーのフローターはルアーフィッシングに特化した設計になっていることが少なくありませんが、アメリカのメーカーのフローターは、フライラインをさばきやすいように、必ずメッシュ素材の「エプロン」がついています。これがなかなか重要で、エプロンが有ると無いとでは、効率がまるで違ってくるのです。

エプロンがないと、フライラインがフローターの周辺に流されてトラブルが起こりやすい。エプロンがあればこの通り。魚をリリースしてすぐにキャスト再開できる。エプロンさえあれば、どんなフローターでも構いません。私は丸型2艇、U型3艇、ポンツーン2艇、計7艇を乗り継いできましたが、どのフローターでも、フライフィッシングは出来ました。
以上、長くなりましたがご参考になれば幸いです。












