データ解析

2021年01月31日

データ解析 バスの食性について 2

 少しあいだが開きましたが、バスの食性についてお話を進めてみたいと思います。前回はバスの胃の内容物について写真でお示ししました。テナガエビ、ザリガニ、ワカサギ、モロコ、ゴリ、ヤゴなど多種雑多なものがありましたが、バスは比較的小さなものを捕食していることが多いようでした。
 
 食性という観点で見ると、あまり大きなベイトは常食していないようです。もちろん大きなベイトを捕食したバスは飽食状態で、ルアーに反応しない(釣れない)ということもあるかもしれませんし、ファイトの最中に胃の内容物を吐き出してしまっているのかもしれません。そのへんは実際にバスに聞いてみないとわからない部分でしょう。
 
 さて今回は数量的な部分について触れさせていただきます。対象と方法については前回の記事を参照してください。バスの食性について 1
 

バスの食性全体像
 
 まず、全体像ですがバスはエビ、ザリガニといった甲殻類(27%) を主に捕食しているようです。ついで、ワカサギ、モロコ、ゴリなどの魚類(13%) そしてヤゴなどの昆虫類(8%) となりました。もちろんバスの生息環境によって違いはありますが、釣れるバスの多くは捕食しやすいのかエビ食いのバスが多いようです。
 

ラージマウス食性 スモールマウス食性
 
  
 魚種ごとに解析してみましたが、ラージ・スモールいずれも同じうような傾向で、甲殻類を多く捕食しているようです。特徴的なのはスモールでは昆虫を捕食している個体もいましたが、ラージでは昆虫は認められなかったということです。実釣においても、スモールマウスでは虫パターンが効果的ですが、食性から考えるとうなずける結果ですね。しかしながらラージでは虫の捕食が見られなかったことから、虫パターンの効果は薄いのかもしれません。
 
 
食性の月次推移
 
 続いて全体における、バスの胃内容物の月次推移について見てみました。早春晩秋はデータ数が少ないので、3月と11月は無視してもらったほうがよいかもしれません。
 
 まずシーズン全体を通じて捕食の中心は甲殻類のようです。これは各環境において通年安定した甲殻類の生息数があるためでしょう。特にスジエビやテナガエビなどは、春から夏にかけてシャローで産卵するため、6月〜7月は捕食しやすいのかもしれません。
 
 季節が進むにつれて魚類の捕食も増えているようです。これはアフター明けでバスが活発に餌を追っているのか、水温上昇や降雨による溶存酸素量増加により、バスの運動量が増加し魚類も捕食しやすくなったのか、いろいろ仮説はできますね。
 
 逆に春先に魚類の捕食が少ないということは、春先効果的とされるミノーに矛盾しています。もしかすると春先のミノーへの反応は、捕食以外の攻撃的な要素が強いのかもしれません。だとするとバスにとって何らかの脅威として認識されやすい、フルサイズのミノーや、ビッグブレイドのスピナーベイトなどが効果的ということも頷けます。
  
 スポーンの絡む5月はあまり捕食していないこともみて取れますが、アフター明けが増えてくる6月以降は活発に捕食をしているのも確認できます。
 
ラージマウス食性月次推移
霞ヶ浦・北浦・外浪逆浦・長門将監川
 
スモールマウス食性月次推移
桧原湖・小野川湖・秋元湖

 同様に魚種別にも解析してみました。ただし特定時期しか釣行しない琵琶湖・河口湖・八郎潟や、食性に偏りのある真野ダム(甲殻類がほとんどいない)はこの解析からは除外しています。
 
 スモール・ラージともに甲殻類が主体で、スポーニングの頃からシーズンが進むにつれて捕食が増えているようです。若干ですが、スモールの方が胃の内容物がない、いわゆる空腹な個体が多いように見えます。裏磐梯ではベイトが不足ぎみなのでしょうかね。
 
 また、ネストのバスは捕食しないと言われていますが、スモールについてはネストバスも多少捕食もしています。しかしラージについてはネストバスの捕食は確認できませんでした。

 
 
 今回はバスの胃の残留物から捕食物のの解析を行ました。食性だけ考えてもベイトの種類、量や分布などのベイト川の要因、水温、水質、溶存酸素などによる環境要因、バスのライフサイクルやポジション変化による要因があります。他にも攻撃性や好奇心からくる捕食活動もあることを考えると、結局のところバスフィシングにおいて食性は、一要素として考えるべきものでしょうね。
 
 
 
やっぱり魚のことは魚に聞くしかないねえ。 
サムライ記











crazy_fbi at 17:56|PermalinkComments(0)

2020年07月12日

データ解析 バスの食性について 1

 釣りや 仕事、日常生活の中で、 貴重な情報を得たり、重要な経験をすることはありますよね。もちろん、それらの情報や経験を、忘れないようにしておこうと思っていても、いつのまにか忘れていたとういうことはありませんか? さらに言えば「忘れていることに気がついていない」ということがあるのではないでしょうか?
 
 サムライは覚えるスピードより、忘れるスピードの方が早いお年頃になってきたので、普段から大事なことはメモを取ることにしています。 当然のことですが釣りについてもコツコツとメモってきました。メモは 2013年4月 から 2020年6月 まで、フローターでキャッチした 1461尾 のバスについて記録してあります。
 
 そしてこのたび、メモのデータ部分についてPCへの入力を行いデジタル化が完了したので、少しづつデータ解析をしてゆきたいと思っています。もちろんサンデーアングラーである自分1人で集めた情報ですから、母集団に偏りのあることは否定できませんが、現実的には学術誌はともかく、バスやバス釣りに関する数値情報が一般の目にふれるようなことはほとんどありません。雑誌やWeb上でのバス釣りに関するさまざまな記事も、主観や経験則からくる定性情報のみで記述されているものが多いと感じています。そこで今回は 「バスの食性について 」として、できるだけ数値データを用いた定量情報で紹介してゆきたいなと思ってまとめてみました。
 
 
 まずバスの採捕エリアと方法ですが、八郎潟、霞ヶ浦水系、河口湖、琵琶湖、桧原湖、秋元湖、小野川湖、はやま湖などで、フローターにて自らルアーで釣った、ラージマウスバスとスモールマウスバスが対象です。
 
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 記録媒体は、耐水性のあるユポ紙のメモ帳です。水には強いのですが、雨や湖水で濡れると乾かすのに手間がかかる上に、何故か臭うんですよね。なので、携帯のボイスメモやカメラ等を併用しながら記録してきました。
 
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 食性の調査については、体長25cm以上のバスのうち 441尾 に実施しました。調査方法は市販のマドラースプーンを用いて、ダイレクトに胃内容物を掻き出して、最初に出てきた固形物を記録しています。(方法の詳細は  DVD 小森嗣彦プライベートトーナメントin 桧原湖, アルバン(株)を参照)2回掻き出して固形物がでてこない場合は「内容物なし」と判断しました。また釣っている最中に自発的にバスが吐きだしたものについては、目視できていても記録はしていません。
 
 胃の内容物の分類については、その場で主観的に判断しています。サンプルの保存はせず、特徴的なものを写真として残しました。以下特徴的なものを例示します。
 
 
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テナガエビ(♂) 比較的大きく捕食後あまり経過していない
 
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1cm程度の小エビを多数捕食。晩秋のリップラップのラージ
 
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エビは捕食されて時間が経過すると赤くなる
 
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モロコ類?と思われるもの
 
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ワカサギ 消化しやすいのか白くなり、溶けた状態のものが多い
 
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ワカサギとエビが同一個体から出た例
 
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ゴリ類 捕食後時間経過の短いもの。消化が進むとゴリも白くなる。
 
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昆虫。ヤゴと思われる。昆虫は消化が早い為かバラバラのものが多い。
 
 昆虫に分類したものにはアリやシャック(脱皮殻)のようなものも多く、ニンフが消化されたものか? はたまたシャック自体を捕食したものか? 判断できないものも多々ありましたので全部まとめて昆虫にしました。残念ながらパターンとして有名な、セミやトンボは検出されませんでした。これはサンプリング方法(釣り方)による偏りもあるかと思われます。

 また、 カエル、オタマジャクシ、リザード、ヘビといった両生類や爬虫類、ビックベイト、フルサイズのミノー程度の大きさの魚類はもちろん、ブルーギルも検出されていません。カモの雛などの鳥類、ネズミなどの哺乳類も検出されていません。これらはよほど条件が揃わないと捕食していないのか、もしくは捕食以外の威嚇や攻撃として噛み付くだけなのかもしれません。実際のバスの胃の内容物は割と小さな水性生物が多かったという印象でした。

 さらにスモールマウスバスの胃の中からは、かなりの割合でワームも出てきています。ちょっと残念な感じではあります。記録はしていませんが事実として付記しておきます。
 
 バスフィッシングの場合、バスの食性に訴えて釣ってゆく部分は少ないと言われていますが、少なくとも食性をもとにポイント、レンジ、ルアーチョイスなどを考慮するのは重要だと考えています。次回は分析した数値データ中心に掲載しようと思っています。
 
 
 
釣果アップにつながるかどうかはアナタ次第
サムライ記






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crazy_fbi at 18:27|PermalinkComments(0)